古事記6番目 国之常立神(くにのとこたちのかみ)

目次

国之常立神(くにのとこたちのかみ)

 国之常立神(くにのとこたちのかみ)は、日本神話に登場する非常に重要な神様です。『古事記』では神世七代の最初に現れた神として、『日本書紀』では天地開闢の際に最初に出現した神として描かれています。

 この神様の名前には深い意味が込められています。「国」は国土や大地を、「常」は永久を、「立」は確立を意味すると考えられています。つまり、国之常立神は国土が永遠に続くことを象徴する神様だと解釈できます。

 神話の中での国之常立神の特徴として、独神(ひとりがみ)であり、姿を現さなかったとされています。これは、この神が具体的な形を持たない抽象的な概念や原理を表していることを示唆しているかもしれません。『日本書紀』では「純男」、つまり陽の気のみを受けて生まれた純粋な男性神としても描かれており、その性質には多様な解釈の余地があります。

 国之常立神は、天之常立神(あめのとこたちのかみ)と対を成す関係にあると考えられています。天之常立神が天空の永続性を象徴するのに対し、国之常立神は地上の永続性を象徴すると解釈されることがあります。この二柱の神は、天地の調和や安定を表す対概念として捉えられることもあります。

 歴史的に見ると、国之常立神の位置づけは時代とともに変化してきました。特に中世以降の神道思想の発展に伴い、この神はより重要な位置を占めるようになりました。例えば、伊勢神道では天之御中主神、豊受大神とともに根源神の一柱とされ、吉田神道では天之御中主神と同一視されるなど、宇宙の根源を表す神として崇められるようになりました。

 国之常立神の存在は、古代日本人の宇宙観や自然観を反映しており、天地創造の神話から現代の神社信仰に至るまで、日本の精神文化に深い影響を与え続けています。この神を通じて、私たちは日本の伝統的な世界観や、自然と人間の調和の重要性を再認識することができるでしょう。

国之常立神様をお祀りしている神社

高御産巣日神を主祭神として祀っている神社は全国に存在します。
・出雲大社(島根県出雲市)
・熊野速玉大社(和歌山県新宮市)
・物部神社(高知県香美市)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次