古事記3番目 神産巣日神(かみむすびのかみ)

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神産巣日神(かみむすびのかみ)

 神産巣日神(かむむすびのかみ)は、日本神話に登場する非常に重要な神様です。古事記では「神産巣日神」、日本書紀では「神皇産霊尊」、出雲国風土記では「神魂命」と表記されています。この神様は、別天津神・造化三神のうちの一柱として知られており、天地開闢の時に天之御中主神(あめのみなかぬし)、高御産巣日神(たかみむすび)に続いて高天原に出現したとされています。

 神産巣日神の名前には深い意味が込められています。「産巣日(むすび)」は生産、生成、生命の誕生を表し、「神」は神聖なる存在を意味します。つまり、この神様は万物を創造し、生命力や活力をもたらす存在として崇められています。

 神産巣日神の特徴として、独神(ひとりがみ)であり、性別のない神様とされていますが、一方で女神的な性質も持つとされています。例えば、古事記では大国主神が八十神らによって殺されたとき、大国主神の母の刺国若比売が神産巣日神に願い出て、遣わされたキサカイヒメとウムカイヒメが「母の乳汁」を塗って治癒したという記述があります。

 また、神産巣日神は高天原に座して出雲系の神々を援助する祖神的存在であり、他の神々からは「御祖(みおや)」と呼ばれています。須佐之男命が大気都比売神を殺したとき、その死体から五穀が生まれ、神産巣日神がそれを回収したとされるなど、農業や食物の起源にも関わる神様です。

 出雲国風土記では、神産巣日神は島根半島の地名起源譚に登場する土地神たちの御祖として「神魂命」の名で現れます。キサカイヒメ・ウムカイヒメなど土地神たちの多くは女性神であり、母系社会の系譜上の母神として存在したと考えられています。

 神産巣日神は、日本の神道において生命力や創造力の象徴として重要な位置を占めています。この神様を通じて、私たちは日本の伝統的な世界観や、自然と人間の調和の重要性を再認識することができるでしょう。

神産巣日神様をお祀りしている神社

高御産巣日神を主祭神として祀っている神社は全国に存在します。代表的なものとしては以下があります。
 ・神産魂命子午日命神社(出雲国神門郡)
 ・秋川神明社(東京都あきる野市)
 ・國領神社(東京都調布市)

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